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給与アップだけでは人は来ない。求人倍率8.98倍の現実

投稿日:2026年10月6日 更新日:

リクルートワークス研究所が公表した2026年卒の調査に、目を疑う数字がありました。

従業員5,000人以上の大企業の求人倍率が0.34倍。これに対して、300人未満の中小企業は8.98倍です。

言い換えると、大企業では1つの席に3人が応募している一方で、中小企業では9つの席に1人しか来ていない、ということになります。同じ年の、同じ学生を取り合っているとは思えない差です。

給与アップだけでは人は来ない。求人倍率8.98倍の現実

では、給与を上げれば追いつけるのでしょうか。

マイナビの調査によると、2026年卒の採用で初任給を引き上げた企業は、全体の88.8%にのぼりました。上場企業で85.4%、非上場企業でも88.3%です。

つまり、ほぼ全社が上げました。

ここが見落とされやすいところだと思います。全社が上げたということは、上げても差がつかないということです。数年前なら「うちは初任給を上げました」が訴求になりました。いまは上げていない約1割のほうが目立つ状態で、上げてようやく横並びに戻るだけです。しかも一度上げた初任給は下げられません。毎年の固定費として効いてきます。

賃上げが無意味だとは思いません。既存社員との兼ね合いもあり、上げざるを得ない事情は各社にあるはずです。ただ、それが応募数を増やす施策として機能するかは別の話ではないでしょうか。

給与を変えずに、応募が増えた会社

一方で、給与条件を据え置いたまま応募を増やした会社もあります。

給与アップだけでは人は来ない。求人倍率8.98倍の現実

ある地方のゴルフ場は、キャディ職の採用に苦しんでいました。職種そのものの認知度が低く、特に採りたかった20代からの応募はゼロ。求人広告に費用をかけても反応がなかったそうです。

そこで手をつけたのが、募集の打ち出し方でした。仕事内容の見せ方を変え、どんな人に向いているのかを具体的に書き直したところ、半年で20代を中心に11件の応募を獲得し、有料広告費は50%削減できたといいます。

もう1社、地方の製造業の例があります。「若手の技術者がほしい」という募集を、「30代前半、機械系出身、地方へのUターン希望、家族との時間を優先したい人」まで絞り込みました。求人票の冒頭で地方暮らしと家族時間の確保を打ち出し、給与は地元同業に合わせたまま、無理な引き上げはしていません。

応募数そのものは劇的には増えませんでした。それでも応募者の顔ぶれが変わり、半年で2名の採用に至ったそうです。

WEB担当の目には、こう見えました

私たちはWEB制作を生業にしていますので、採用のプロではありません。ただ、いろいろな会社を外から見てきた立場として、この2社には共通点があるように思えました。どちらも、給与面の条件は何ひとつ変えていないという点です。

変えたのは、伝え方だけでした。

もう少し踏み込むと、2社がやったのは「誰に来てほしいのかを決めたこと」でした。採用に苦しむ会社ほど募集要項は広くなりがちです。間口を狭めたら応募がもっと減ると考えるからですが、実際に起きるのは逆で、誰にでも当てはまる文章は、誰の心にも引っかかりません。「未経験可。やる気のある方歓迎」を読んで、自分のことだと感じる人はいないのではないでしょうか。

では、センターピンはどこにあるのか

私たちは「センターピンの隣に、WEB有り。」という言葉を掲げています。ボウリングで1番ピンを外すと、どれだけ強く投げても全部は倒れません。会社の課題も同じで、急所を外した施策は労力のわりに結果が出ないと考えています。

では、採用という課題のセンターピンはどこでしょうか。

多くの会社は「雇用条件」だと考えます。だから給与を上げ、休日を増やし、福利厚生を整えます。もちろん大切なことです。ただ、それは全ての会社がやっていることでもあります。

先ほどの2社を見る限り、センターピンは「応募する前に、判断できる材料を提供できているか?」ではないでしょうか。

というのも、応募者は応募する前に必ず調べているからです。求人媒体で興味を持った瞬間、ほぼ全員が社名で検索します。そして彼らが知りたいのは、求人票に書いていないことです。どんな人が働いているのか。入社したらどんな一日を過ごすのか。この会社は続くのか。

給与アップだけでは人は来ない。求人倍率8.98倍の現実

こうした問いに答えるものが何もないまま条件だけが並んでいる状態は、応募者からすると「判断できない」ということになります。そして判断できないものは、選ばれません。ほかに同時に9社も検討しているとしたら、なおさらです。

「うちは知名度がないから」とおっしゃる社長は多いのですが、応募者が見ているのは知名度ではないように思います。調べた先に材料があるかどうかです。知名度のある会社が有利なのは、名前を知られているからというより、調べれば情報が出てくるからではないでしょうか。

ここまでが、今回のニュースから私たちが考えたことです。

ここから先は、WEBのプロとしての話です

センターピンが「判断できる材料を提供できているか」だとして、では、その材料はどこに置けばよいのでしょうか。

求人媒体にも一定は書けます。ただ文字数にも形式にも制限があり、どの会社も同じ枠に同じ項目を埋めていくため、比較されるのは条件だけになります。一方で、応募者が検索した先にある自社のサイトには制限がありません。働いている人の顔も、一日の流れも、向いていない人のことまで書けます。

ここで大事なのは、いいことばかりを並べないことだと考えています。写真を差し替えて実態より良く見せれば、応募は一時的に増えるかもしれません。ただ、入社後に「思っていたのと違った」となれば辞めてしまいます。採用コストを二重に払うだけです。

むしろ、「向いていない人のことまで書く」という正直なアピールはいかがでしょうか?「こういう働き方が苦手な方には向きません」と正直に書いてある会社は、それだけで信用されます。そして読んだ人は、自分が当てはまるかどうかを自分で判断してくれます。先の2社が得たのは応募数ではなく、その精度でした。

もうひとつ付け加えると、調べているのは応募者だけではありません。内定を出したあと、多くの方がご家族に相談します。親御さんが社名を検索し、配偶者の方が調べます。そこで何も出てこなければ、「その会社、大丈夫なの」という一言が出ます。内定辞退の理由は、本人の気持ちだけで決まるものではないと思います。

給料を10%上げるよりも、WEBリサーチされて、調べた先に置いてある情報を変えるほうが、多くの場合は安く、早い。そして一度整えれば、毎年求めるターゲットに効いてきます。9社のライバルと、どう戦うか。その隣にWEBがあるかもしれません。

 

ご参考まで

まずは、ご自身の会社名で検索してみてください。応募者が見ているのと同じ画面を、経営者の方がまだご覧になっていないことは、驚くほど多いものです。私たちは、その画面が外からどう見えているかを無料でお調べしています。

出典:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」/株式会社マイナビ「2026年卒企業新卒採用活動調査」

センターピンの隣にWEBあり マーカーネットではビジネス課題に対して、WEBサイトで解決の可能性を探ります。 BtoBでの効果的な情報発信に、ぜひWEBサイトをご検討ください 資料請求・お問い合わせはこちら

著者名:代表取締役 塚 尚益

マーカーネット株式会社が、WEB制作・SEO・マーケティングに関する最新情報や実務に基づいたノウハウをわかりやすく発信しています。

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